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山でスケッチ
2005年夏
 ひとり南アルプスで
 仙丈岳〜農鳥岳〜北岳

8月30日

 
急な北岳の上りに緊張して早めに出発する。

なんと、びっくり、最高のコンディション。
五日目になって、ようやく体力がついてきたというわけか?





またまた快晴、北岳の頂上でも大パノラマ。
北アルプス、中央アルプス、南アルプス南部、富士山、奥秩父、八ケ岳…
ほかにも周り中に知らない山がいっぱいだ。

仙丈岳の左に乗鞍岳、右に槍ケ岳、穂高連峰を、大岩に座って描いてみる。





上のふたつの標識は私にとって、とても意味深いもの…

9年前の夏、友人とふたりで北岳バットレスを登り、
予定のルートから外れて、かなり危ないところを登ってしまった。
やっとのことで頂上に出て、肩の小屋を通るころにはうす暗闇。

ここから右に曲がるところを、標識の向こう側を歩いていたため
ヘッドランプをつけていたものの、気がつかないで
小太郎山への登山道に入ってしまいました。

これはおかしい、小太郎尾根に入ってしまったと確信した
夜8時ころには戻る勇気も、風をよける場所を捜す余裕もなく、
吹きっさらしの登山道にツエルトをかぶって泊ることに…
東京でも寒かったそうで、震えて一晩を過ごしたものでした。

それから20日後、彼女は沢登り中に滝から落ちて
車椅子の生活になってしまいました。
『残された機能でどこまでやれるか楽しみ』と
お見舞いに行った者が逆に元気をもらえるほど
前向きの彼女との最後の山行、最後のビバークという
感慨深いふたつの標識です。



草すべりを下り、
南アルプス市営になって
新築中の白根お池小屋に
絶え間なく資材を運ぶ
ヘリコプターを眺めながら
無事に広河原に
下ることができました。

バス停に着いた途端に雨。
登っていく人は大勢いたのに
申しわけないようなタイミング…

トレーニング不足以外は
すべて順調でしたが、
夜叉神峠に置いてあった
車のバッテリーがあがっていて
最後にJAFの
お世話になりました。



南アルプスをひとりで歩くのは初めてで、
少し心配でしたが、何とか行ってくることができました。

山の花はそろそろ終りでしたが、
今回は、咲き残っている花を描く余裕もなく
ただ目の前の標識を描いたり…
北岳〜間ノ岳〜農鳥岳はさすが人気コースで
登山者も多かったのですが、前半の
仙丈岳〜三峰〜間ノ岳はめったに人にも会わず
好天にも恵まれ楽しむことができました。

自己満足のスケッチ,気まぐれ山行記ですが
ご覧いただき、ありがとうございました。

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