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山でスケッチ
2004年夏
 ひとり北アルプスで
 笠ケ岳〜雲の平〜南岳

8月23日

台風の影響で、はげしい雨なので一日テントで停滞。

昼近くになって、いったん雨が止み、
突然、強い風が吹いてテントが浮きそうになる。

外に出て、テントの張り綱をしめなおし、
大石を七つ運んで、テントの中に並べる。
水が流れるように棒で溝も掘っておく。

また雨が降りはじめて、テントの中で
きのう描いた絵の仕上げをして過ごす。

気がつくとテントの外側を虫が這っている。
空気穴からつまんで中に入れ、描かせてもらい
かわいそうだけれど、また風雨の外につまみ出す。

テントの中で

テントを登山道の近くに張っていたので
朝早く、雨の中を下山していく人たちの声が聞こえてくる。

『台風でみんな下りるというのに…わからんのかなあ』

『テントの中は寒いんやろう?』
『うん、寒いんよぉっ…』

みんな下山していまうほどの悪天候なのかと
少し心細い思いでいると、午後には上ってくる人も…

夜になって、さらに風雨がはげしくなる。

8月24日

濃霧と強風だったけれど雨は止んでいるので出発。

途中からまた雨になり、黒部五郎のテント場に着く。
他に一張りのテントもない。

ベニバナイチゴ

雨が止み、ベニバナイチゴとクロウスゴの実を描いてみる。

クロウスゴ

夕方には青空がひろがり、まるい月が出てくる。
稜線の方からは風のうなり声。

誰もいないテント場は初めて…
寝袋にもぐって、早々に寝てしまう。


8月25日

今回の山行で初めての快晴。

花を期待して黒部五郎のカールに来たものの
ここも、やはり《秋》。
花の咲きがらばかりが目立つ。

照りつける陽ざしの強さに気力を失い
カールの真ん中で濡れものを乾かして、のんびりする。

テントに戻る途中でオヤマリンドウを描いてみる。

オヤマリンドウ

登山道から外れて、草地の中でアザミを描いてみる。

ハチがしきりに花の蜜をすい、
私の顔にはブヨが集まってきて、だいぶ喰われてしまう。

アザミ

テント場に戻るといくつものテントが張られ、にぎわっている。

ラジオを聞きながら天気図を画いている若者たちに
明日の天気の予報をしてもらう。

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