山でスケッチへ戻る   はてなのもりへ戻る
山でスケッチ
2004年夏
 ひとり北アルプスで
 笠ケ岳〜雲の平〜南岳

8月26日

二日前、雨に濡れながら下った道をまた登り返す。

まずまずの好天。

三俣蓮華岳の黒部川寄りの巻き道に入ってまもなく
斜面いちめんに大文字草が咲いているのが目にとまり、
狭くて急な登山道に不安定な姿勢で座って描いてみる。

テントの中で

この巻き道には他にもまだ花がたくさん咲いていて
描こうか迷ったけれど、我慢して歩き続ける。

もくもくと歩いて、ふと、振りかえって眺めたらこの景色。
迷わず、登山道の真ん中に座って描いてみる。

黒部五郎岳と薬師岳

左が黒部五郎岳、右が薬師岳。

薬師岳の頂上から少し下ったところに薬師岳山荘。
さらに下って太郎平の小屋が見える。
右の平らなところが今日のねぐらになる雲の平。

北アルプスの山小屋は遠くから眺めているのが良いと思う。

描いている途中、山小屋のアルバイトを終え、家に帰る前に
高天原に行くという若い女性が登ってきて話しをする。

私は彼女から自分の顔が見られないように話しをし、
彼女も私から視線を外して話してくれた。

さっき、朝から目が開けにくいので、鏡を見てびっくり、
きのうブヨに喰われた顔半分が目がつぶれるほどに腫れて
見るのも気の毒と思われる、無惨な顔になっていたので…

ミヤマダイコンソウ

歩き始めてまもなく、雪渓の下の方に
ミヤマダイコンソウがまだ生き生きと咲いていた。
左の山が祖父岳で、その右が水晶岳。

黒部川の源流に下る途中、
ハクサンフウロウが元気に咲いていて
またまた足を止めて描いてしまう。

ハクサンフウロウ

黒部の源流を渡り、急坂を登って、祖父岳の中腹に出る。

チングルマの穂に混じって、
たくさんのイワギキョウが咲いている。
もう夕方、時折、雨もポツポツ…傘をさして描いてみる。

チングルマの穂

ようやく雲の平のテント場について
テントを張って中で落ち着いたころ、また雨になる。

8月23〜25日へ 8月27〜28日へ