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山でスケッチ
2004年夏
 ひとり北アルプスで
 笠ケ岳〜雲の平〜南岳

8月27日

明け方、雨は止み、強風が濡れたテントを乾かし
雨雲を吹き飛ばしてくれる。

木道がえんえんと続く、気分の悪い雲の平を抜け出し
祖父岳の登り口にあったケルンに何故か心が温まる。

ケルン

祖父岳の頂上近くから見た槍ケ岳と穂高連峰。

槍ケ岳と穂高連峰

三俣山荘の向こうに双六小屋が見え、そこから
明日歩く予定の西鎌尾根が槍ケ岳にむかって続いている。

三俣蓮華岳から双六小屋への道。
両側にひろがるお花畑ももう秋。

残念だけれど花はもう終り…とあきらめかけた時
あざやかに咲いている一角があった。

オトギリソウ

オトギリソウと一緒にアキノキリンソウも咲いていて
描きたいと思ったけれど…にわかに黒い雲が…
きょうは濡れたくないと思って、描くのを止めて歩きはじめる。

再び、双六小屋のテント場に…
『あれ、まだ、いたんですか? えっ、もう何日目?』
と、小屋の若い女性が覚えていてくれた。


8月28日

夜中に降った雨があがって、濃い霧。
朝、まだ暗いうちに出発する。

快調だ。

きのうから歩くのが早くなったようで、
先に出発した人に次々に追いついてしまう。

北穂高岳から歩いてくる友人と会うことになっている。

槍の肩から大喰岳、中岳を越え、南岳近くで友人らと会い、
休憩したばかりというのに足止めし、お喋りの相手をしてもらう。

南岳直下、標高3000m近くのテント場に着き
時間はたっぷりあるのでスケッチをして過ごす。

イワツメクサ

ほとんどの花はもう枯れていたけれど、小屋の人が
岩陰でまだ咲いていたイワツメクサ…を教えてくれた。

風が冷たく、座って描いていると体の芯まで冷えてくる。

トウヤクリンドウ

寒くてテントに入ろうと歩いているとトウヤクリンドウが…

山での最後の夕食に、友人からの差し入れをいただく。

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